眼精疲労

眼精疲労とは、毛様体筋と呼ばれる目の筋肉が疲労している状態です。
眼精疲労と疲れ目の違いや、放置するリスクについてご紹介します。

●目の仕組み

ものをみるときには、目の水晶体というガラス部分のピント調整が行われます。
そのピント調整を行う目の筋肉が、毛様体筋です。
近くのものをみるときには毛様体筋が縮まることで水晶体が厚くなり、遠くのものをみるときには毛様体筋が緩むことで水晶体が薄くなります。

●疲れ目と眼精疲労の違い

疲れ目と眼精疲労は混同されやすいですが、正確には異なります。
どちらも目の疲れが症状として現れます。
ただし、疲れ目は一時的な目の疲れになるため、休息や睡眠によって回復することがほとんどです。

一方で、眼精疲労は毛様体筋の緊張によって生じているため、休息しても回復せずに症状が継続してみられます。
そして、毛様体筋の緊張から血流不良が生じ、肩こりや頭痛など全身に不調が現れるという特徴があります。

●放置するリスク

眼精疲労を放置していると、症状が増してしまうことがあります。
全身にさまざまな不調が生じることで精神的なストレスにもつながってしまいます。
また、目のピント調整がうまくできなくなることで視力の低下を招く恐れもあります。

眼精疲労が起こる原因と症状は、次の通りです。

●原因

・ストレス

精神的なストレスは自律神経のバランスを乱します。
自律神経は血流を調整している組織で、バランスが崩れると血流不良を引き起こします。
血流不良が起こることで筋肉が緊張しやすくなり、眼精疲労の発症リスクが高まるとされています。

・長時間のデスクワーク

長時間デスクワークをしていると、近くのものをみている時間が長くなります。
そうすると、毛様体筋が緊張して硬くなった状態がつづき、眼精疲労の症状を誘発するとされています。

・目の病気

白内障など目の病気があると、毛様体筋が影響を受けて眼精疲労が起こりやすくなります。

●症状

・かすみ目

目のピント調整を行う毛様体筋が疲労するため、うまくピント調整ができなくなります。
その結果、視界がぼやけたり白くみえたりするかすみ目が生じます。

・頭痛

毛様体筋が疲労して硬くなると、血流が悪くなります。
そうすると、目や頭まわりに老廃物が蓄積されていき、炎症を起こすことで緊張型頭痛が発生します。

●めまい・吐き気など

目の近くには自律神経が通っているため、毛様体筋が硬くなると自律神経が刺激されてバランスが崩れてしまうことがあります。
自律神経は循環器や内臓機能をコントロールしているため、バランスを崩すことで吐き気やめまいなどの不調を引き起こします。

眼精疲労と類似する病気には、次のようなものが挙げられます。

●疲れ目

一時的な目の疲れです。
ドライアイや充血、目の痛みなど目の症状が中心に現れます。
目を休息させたり、睡眠をとったりすることで症状が回復します。

当院における眼精疲労のおもな施術方法は、次の通りです。

●ゼロ整体

眼精疲労の原因は、目だけではなく身体のゆがみから起こっていることも多いです。
身体にゆがみがあることで首や肩に過剰な負荷がかかり、筋緊張が生じてしまい血流不良を招いて眼精疲労が起こりやすくなってしまいます。

ゼロ整体では、身体にかかる負担をゼロにするために身体を整えていきます。

●鍼灸

東洋医学の観点では、全身にさまざまなツボが存在します。
眼精疲労に効果が期待できるツボもあるため、鍼やお灸で刺激を与えていきます。
そうすると、気血が流れて症状の緩和が期待できます。

●ハイボルト

呼吸器官の弱い患者様の場合は、ハイボルトで施術を対応することがあります。
ゼロ整体の施術が呼吸器に刺激を与える可能性があるからです。

ハイボルトは身体への負担を最小限にしながら、筋緊張を和らげて血流を促すことが期待できます。
血流が促されることによって毛様体筋の緊張も和らぎ、眼精疲労の緩和が期待できます。

眼精疲労のおもな施術期間と施術過程の例をご紹介します。。

●施術期間

施術期間には個人差がありますが、3か月が目安です。
身体のゆがみや筋緊張がひどい場合は、時間がかかるケースもあります。

●施術過程

まずは症状緩和のために、筋緊張を緩和して血流を促します。
おもな施術は手技によるゼロ整体や鍼灸です。
症状が緩和されてきたら、再発予防のために根本の原因となるゆがみを整えていきます。
日常生活の中での予防も大切なので、生活習慣へのアドバイスを行うことがあります。

眼精疲労は日常からケアすることで症状の緩和が期待できます。

●目を温める

温めたタオルやホットアイマスクなどを利用し、目を温めましょう。
目を温めると血流が促され、毛様体筋の緊張が緩んで症状が緩和されやすくなります。

●目のストレッチをする

眼精疲労は目の筋肉が疲労して硬くなっている状態です。
目をストレッチすれば筋肉の緊張がほぐれ、症状が緩和されます。
瞬きを多くする、眼球を左右に動かすなどして目をストレッチしてください。

●遠くをみる

デスクワークなどで近くのものを長時間みるときは、途中で遠くをみつめましょう。
遠くをみることで毛様体筋が緩み、眼精疲労の緩和が期待できます。
1分間ほど遠くの景色をみると効果的です。

●首の後ろをほぐす

首の後ろ部分をボールペンの裏でほぐします。
そうすると、筋緊張が緩和されて血流が促されるため、目の筋緊張も和らぎます。
ただし、刺激を与えすぎることもよくないので、適度にほぐすようにしてください。

眼精疲労かどうか日頃からチェックを行い、眼精疲労の可能性が高まる前に予防を心がけましょう。

●チェック法

次の項目に該当するものが多いほど眼精疲労の可能性が高いといえます。

・パソコンやスマホを使用することが多い
・肩や首にこりを感じる
・まぶたが痙攣することがある
・目が乾燥しやすい
・まぶたが重く感じられる

●予防法

・パソコンの作業環境を整える

パソコンの画面が暗すぎると眼精疲労が起こりやすいため、明るさを調整をしましょう。
また、デスクワーク中も正しい姿勢が維持しやすいように机や椅子の高さを調整することも大切です。

・目の乾燥対策をする

目が乾燥すると眼精疲労が起こりやすくなります。
意識的に瞬きの回数を増やしたり、目薬を使用したりして対策を取ってください。

・目を休ませる

目を酷使すると、目の筋肉は緊張しやすくなります。
こまめに小休憩をとり、目を閉じるなどして休ませることも大切です。

・ブルーライトをカットする

ブルーライトは目を疲労させます。
パソコンやスマホの使用時は、ブルーライトをカットする眼鏡など使用して対策しましょう。

・運動やストレッチをする

適度な運動やストレッチは血流を促し、筋肉の柔軟性を高めます。
日頃から適度な運動やストレッチを行いましょう。

・食生活の改善

栄養バランスが悪いと血流が悪くなり、眼精疲労が起こるリスクが高まります。
バランスのとれた食生活を心がけましょう。
とくにブルーベリーは眼精疲労予防に良いといわれているため、積極的に摂取するのもよいでしょう。