更年期障害

更年期障害とはどのようなものなのでしょうか？
更年期障害と身体の変化についてご紹介します。

●更年期障害とは

女性は50歳前後の年齢になると、閉経を迎えます。
一般的にこの閉経前後の10年間のことを「更年期」と呼んでおり、男性にも該当します。

更年期障害とは、更年期に起こるホルモンバランスの変化によって生じる身体の不調症状を指します。
身体的にも精神的にも症状が現れますが、症状の現れ方には個人差があります。

●身体の変化について

更年期になると、女性の身体にはさまざまな変化が起こります。
その変化の1つが、卵巣機能の変化です。
卵胞が消失して排卵も停止するため、ホルモンの生産ができなくなってしまいます。
こうして閉経を迎えるのですが、卵巣機能の低下や卵胞ホルモンの減少は、他の臓器にも大きな影響を与えます。

更年期障害の症状と原因についてみていきましょう。

●症状

・運動器系

更年期に卵胞ホルモンが減少すると、関節や筋肉の柔軟性が低下します。
そうすると、腰痛や肩こり、関節痛などが起こりやすくなります。

また、組織が硬くなることで神経が圧迫されると、各所にしびれ症状が現れることがあります。

・精神神経系

女性ホルモンが変化すると、自律神経に乱れが生じます。
自律神経が乱れると血流不良からめまいを引き起こしやすくなることや、脳が興奮状態に陥って不眠が生じやすくなります。
また、卵胞ホルモンの減少によって精神を安定させる脳内物質が低下するため、イライラやうつなど精神神経系の症状が現れやすくなります。

・血管運動神経系

女性ホルモンが変化すると、血流や心拍数をコントロールする自律神経に乱れが生じます。
そうすると、動機や息切れ、発汗、むくみ、火照りなどの血管運動神経系に不調症状が現れるようになります。

・皮膚、分泌系

卵胞ホルモンが減少すると、粘膜が乾燥するようになります。
すると、ドライアイや喉の渇きやすさなどの症状が現れます。

・消化器系

ホルモンバランスが変化すると、内臓機能をコントロールする自律神経が乱れて消化器系に影響します。
吐き気や下痢、胃もたれ、胸やけなどの症状が現れます。

・泌尿器、生殖器系

卵胞ホルモンが減少すると、骨盤底筋群が緩みやすくなります。
骨盤底筋群が緩むと排尿コントロールや生殖器に影響を与え、月経異常や尿失禁、性交痛などが生じることがあります。

●原因

更年期には卵胞ホルモンが減少し、FSH（卵胞刺激ホルモン）とLH（黄体形成ホルモン）の分泌が増えます。
この刺激ホルモンが過剰分泌されると、自律神経に乱れが生じます。
そこへ、身体のゆがみや加齢による身体的要因や、性格やストレスなどの心理的要因、家庭や仕事などの社会的要因などのさまざまなストレスが加わり、更年期障害を発症すると考えられています。

更年期障害と類似する症状が現れる病気には、次のものが挙げられます。

●自律神経失調症

自律神経のバランスが乱れることで生じる不調症状です。
更年期障害と同様に自律神経の乱れが生じるため、症状に類似点があります。
相違点は、発症原因です。

●PMS（月経前症候群）

月経前になると、自律神経が乱れることで生じる不調症状です。
更年期障害と類似した症状が現れますが、とくに過食や不眠、食欲不振、倦怠感の症状が現れやすいです。

当院における更年期障害の施術方法は、次の通りです。

●鍼灸

鍼灸では、ツボに刺激を与えて体内の気血（エネルギーや血流）を促していきます。
気血の滞りが不調を引き起こすため、流れを促すことで症状の緩和が期待できます。
更年期障害の場合は、おもに婦人科系のツボへアプローチしていきます。

●ゼロ整体

更年期には女性ホルモンの減少によって関節や筋肉が硬くなってしまいます。
そのため、手技で関節や筋肉の柔軟性を取り戻します。
そうすると、身体にかかる負荷が軽減されるため、負荷によって生じていた症状が緩和されます。

この身体にかかる負荷をゼロにしていく施術を、ゼロ整体と呼びます。
骨盤底筋群の緩みなども生じるため、しっかりと骨盤まわりも整えていきます。

●立体動体波

立体動体波では、電流のうねりで筋緊張の緩和や血流促進を行います。
女性ホルモンの変化によって起こっている筋肉や、関節の柔軟性の低下へアプローチすることができます。
電流なので手技よりも深部まで届き、頑固な筋緊張にも効果を発揮します。

更年期障害の施術期間と施術過程は、次の通りです。

●施術期間

更年期障害の施術期間は、身体や症状の状態によって個人差があります。
更年期障害は完全に回復することを目指すのではなく、症状を緩和させるための施術になります。
そのため、患者様ごとに施術期間が異なります。

●施術過程

更年期障害によって生じている不調症状を緩和するために、鍼灸で気血を促していきます。
また、ゼロ整体や立体動体波により、筋緊張をほぐす施術も行います。
筋緊張がほぐれて血流が促されると自律神経も整い、症状が緩和されます。
ゼロ整体により身体のゆがみも整えられるため、元々の身体のゆがみや肩こりなどの不調の改善も期待できます。

更年期障害のつらい症状を緩和するために、日常でもケアを行いましょう。

●有酸素運動をする

有酸素運動には自律神経を整える作用があるため、更年期障害の症状の緩和が期待できます。

また、筋肉を動かせば血流が改善されるため、血流不良による不調も改善されます。
有酸素運動には、ウォーキングやジョギング、水泳などが挙げられます。

●ストレスを発散する

ストレスがあると自律神経のバランスが乱れ、更年期障害が悪化しやすくなります。
自律神経が乱れないようにストレスはこまめに発散させましょう。

●バランスのよい食事を心がける

栄養バランスの悪い食事は、心身のストレスになります。
更年期障害をより悪化させてしまう可能性があるため、バランスのよい食事を心がけてください。

●身体を温める

身体を温めると筋肉が緩み、血流が促されます。
そうすると、筋緊張や血流不良から生じていた更年期障害の不調症状の緩和が期待できます。
入浴などで身体をしっかり温めてください。

●リラックスする

リラックスすると副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整います。
アロマセラピーなどで心身をリラックスさせ、更年期障害の症状緩和を目指しましょう。

中高年になると、誰でも更年期障害になるリスクが高まります。
更年期障害を発症する前の予防を心がけることも大切です。

●有酸素運動をする

日頃から有酸素運動を習慣的に行いましょう。
有酸素運動には、自律神経が整う効果だけではなくストレス発散にもなるため、更年期障害の発症リスクを軽減することができます。

●ストレスを溜めない

ストレスは更年期障害を引き起こす原因になります。
日頃からこまめにストレスを発散し、溜め込まないことが大切です。
入浴や運動、趣味の時間を作るなど、自分に合うストレス発散方法を探してみてください。

●バランスのよい食事をとる

栄養バランスが偏っていると心身に負担を与え、更年期障害の発症原因をつくってしまうことがあります。
毎日の食事は栄養バランスを考えるようにしましょう。

●身体を温めるようにする

身体を温めると、筋緊張が緩んで自律神経も整いやすくなります。
更年期障害の予防のためにも、入浴などで身体を温めるようにしましょう。