足底筋膜炎

足底筋膜炎について知る前に、まずは足裏の構造について理解を深めましょう。

●足底筋膜とは

足底筋膜は、足の指先のつけ根からかかと伸びる繊維状の腱の膜です。
足の指とかかとの骨をつなぎ、扇状に広がっています。

足底筋膜には、足裏のアーチ構造を支えるという重要な役割があります。
足裏にあるアーチ構造によって体重をバランスよく支えることができます。
また、歩く際に地面から受ける衝撃を和らげる役割も担っています。

●足のアーチ構造

足裏は、アーチ状の構造になっています。
3つのアーチがバランスを保つことで身体を支えています。

・内側縦アーチ

足の内側にある縦方向のアーチ構造です。
身体を支えるだけではなく、地面からの衝撃を緩和させる役割があります。

・外側縦アーチ

小指側からかかとに向かって存在する縦方向のアーチ構造です。
足のバランスを保つ役割があり、体重がかかると横に広がって体重を支えます。

・横アーチ

親指から小指に向かって存在する横方向のアーチ構造です。
内側縦アーチと外側縦アーチにつながり、バランスを保ちながら身体を支えています。

足底筋膜炎のおもな症状と原因についてみていきましょう。

●症状

足底筋膜炎とは、足裏の足底筋膜が減少を起こしてる状態です。
そのため、足裏に痛みが生じます。

特にかかとから土踏まずにかけて痛みが現れやすく、動き始めに痛むことが特徴です。
また、進行すると筋膜が引っ張られて骨が増長することで、骨棘というトゲ状の骨が発生することがあります。

●原因

・足への過剰な負担

足に過剰な負担が繰り返し加わると、足底筋膜が疲労して炎症が起こりやすくなります。
ジャンプを繰り返すバレーボールやバスケットボール、陸上競技など足裏に負担の加わるスポーツをしている方に発症しやすいです。

・偏平足

足裏のアーチ構造が失われる偏平足の方は、足底筋膜炎が起こりやすいです。
なぜならば、アーチ構造が失われることで足裏にかかる負担が大きくなるためです。

偏平足は誤った歩き方や足に合わない靴の使用など、日常の習慣が原因で起こります。

・肥満

足裏は、体重を支える役割があります。
そのため、体重が重くなるほど足裏にかかる負担が大きくなり、足底筋膜炎が起こりやすくなります。

・筋力の低下

足裏の筋力が低下すると、足底筋膜にかかる負担が大きくなるため、足底筋膜炎の発症リスクが高まります。
筋力の低下は、加齢や運動不足によって生じます。
また、正しく歩けていない場合や、自分の足に合わない靴を使用している場合も、正しく足裏の筋肉が使えないことで筋力低下が生じます。

当院における足底筋膜炎の施術方法は、次の通りです。

●ハイボルト

足底筋膜炎の痛みが強い場合、ハイボルトで施術を行います。
ハイボルトは炎症期にも施術ができる電気療法です。
炎症を抑制する作用があるため、痛みの緩和が期待できます。

●ゼロ整体

足底筋膜炎は、足底筋膜に過剰な負荷がかかることで発症します。
ゼロ整体では手技で筋緊張をほぐしながら、足底筋膜にかかる負荷をゼロにしていきます。
そうすることで、痛みの緩和だけではなく、再発予防にもつながります。

●インソール指導

インソールを使用することで、足底筋膜にかかる負担が軽減されます。
当院ではインソール指導を行っています。
自分の足に合うインソールを使用したい場合はご相談ください。

●EMS

筋力が低下すると、足底筋膜炎が起こりやすくなります。
再発予防のために、EMSで筋力を高めます。
EMSは、電気刺激によって筋肉を収縮させて筋力を高める施術です。

足底筋膜炎の施術期間・施術過程は、次の通りです。

●施術期間

足底筋膜の炎症状態や足のアーチ構造の状態によって施術期間は異なります。
早期に施術を開始するほど早期改善が期待できます。
足のアーチ構造の崩れが進行している場合には、施術期間に時間を要します。

●施術過程

炎症期には基本的に保存療法になります。
日常生活で安静にすることが大切です。
痛みが強い場合にはハイボルトで炎症を抑制し、症状を緩和します。

痛みが落ち着いてくる慢性期からは、ゼロ整体などの施術を行います。
ゼロ整体で足底筋膜にかかる負荷をゼロにし、EMSで足の筋力を高めていきます。
また、インソール指導も行っています。

足底筋膜炎になってしまった場合には、症状を緩和させるために日常でも対処しましょう。

●テーピングを使用する

テーピングは患部にかかる負荷を軽減し、強化してくれます。
足底筋膜炎の痛みがつらいものの歩かなければならないような場合には、テーピングを使用しましょう。
テーピングの使用方法は整骨院・接骨院へご相談ください。

●足を休める

足に負荷がかかると、炎症が悪化する可能性があります。
痛みが強いときには足を休めてください。

●足を温める

痛みが落ち着いてくる時期からは、足を温めます。
足を温めることで、足の筋肉の緊張が和らぎ、慢性化を防ぎながら症状を緩和します。

●足のストレッチをする

足を安静にし続けていると、足の筋肉が拘縮してしまいます。
足をストレッチして筋肉の柔軟性を維持することも大切です。
地面に置いたタオルを足指でたぐり寄せるタオルギャザー運動などでストレッチをしてください。

足底筋膜炎が起こらないように、日頃から予防も心がけましょう。

●歩き方や歩く量を見直す

正しく歩けていないと足に過剰な負荷がかかり、足底筋膜炎が起こりやすくなります。
かかとから着地して親指で蹴り上げるようにして歩くと、正しく歩きやすいです。

また、日頃から歩く量が多い方にも発症しやすいです。
適度なウォーキングなど運動をすることは大切ですが、歩数を計測して調整しましょう。

●インソールを使用する

立ち仕事など足に負荷が日頃からかかりやすい方は、インソールの使用をおすすめします。
インソールを使用することで足裏にかかる負荷が軽減され、足底筋膜炎の予防になります。

●運動後はクールダウンする

運動をしている方の場合、運動後にクールダウンすることが大切です。
疲労の蓄積が足底筋膜炎を引き起こすため、クールダウンして疲労の回復を促してください。

●足の柔軟性を高める

足が硬くなっていると足裏にかかる負荷が大きくなり、足底筋膜炎の発症リスクが高まります。
タオルギャザー運動や、足指のグーパー運動など、ストレッチを日頃から行うことで柔軟性を高めるようにしましょう